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猿鬼(さるおに)とは?能登を荒らした一本角の猿妖怪

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猿鬼は、石川県能登地方に伝わる一本角の猿に似た怪物です。人や家畜を襲い、左大将義直公や能登の神々に退治された伝承を紹介します。

 

能登の山中で十八匹の仲間を従え、神杉姫たちの軍勢と戦う一本角の巨大な猿妖怪「猿鬼」

猿鬼(さるおに)

概要

猿鬼は、石川県の能登地方に伝わる、一本の角を持つ猿のような怪物です。

人間や家畜を襲い、作物を盗み、若い女性をさらうなどして住民を苦しめました。伝承によって、左大将義直公に退治されたとも、神杉姫をはじめとする能登の神々に討たれたとも語られています。

退治された後もその霊は祀られ、猿鬼の戦いに由来するとされる地名や神社が能登地方に残されています。

姿

  • 猿鬼は、大きな猿に似た怪物です。
  • 能登島向田の伝承では、頭に一本の角が生えていました。全身は毛に覆われ、人間を大きく上回る巨体と怪力を持っていたと考えられます。
  • 水木しげるの妖怪画では、額に一本角を生やした巨大な黒い猿として描かれています。鋭い牙と爪を持ち、太い棍棒を手にした凶暴な姿です。

能力・習性

猿鬼は、人間や家畜を襲う非常に危険な怪物です。

  • 人や家畜を襲う
  • 村の作物を盗む
  • 若い女性をさらう
  • 十八匹の仲間を従える
  • 人間を上回る怪力を持つ
  • 神々が放った大量の矢をつかみ取る
  • 捕らえた矢を投げ返す
  • 岩穴や山中を根城とする

当目の伝承では、普通の矢で猿鬼を倒すことはできませんでした。そこで神々は筒矢を使用し、猿鬼が矢を受け止めた瞬間、筒の中に仕込んだ別の矢を飛び出させて目を射抜いたとされます。

代表的な伝承

能登島向田の猿鬼

  • 石川県七尾市の能登島向田には、一本角の猿鬼が現れ、人や家畜へ危害を加えていたという伝承があります。
  • 住民たちは氏神である伊夜比咩神社のお告げに従い、天皇へ猿鬼退治を願い出ました。その結果、武勇に優れた左大将義直公が能登へ派遣され、猿鬼を退治したとされます。
  • 退治された猿鬼の角は、現在も伊夜比咩神社に伝わっています。石川県立歴史博物館の展示品一覧にも、伊夜比咩神社が所蔵する「猿鬼の角」の複製が常設展示品として記載されています。

当目の猿鬼

現在の能登町当目周辺では、猿鬼が十八匹の仲間を従え、作物を盗んだり、娘をさらったりして暴れていました。

猿鬼を退治するため、気多大明神を大将、輪島市三井の女神・神杉姫を副将とする神々の軍勢が組織されます。

猿鬼たちは当目の岩屋堂へ立てこもり、神々が放った数千本の矢をすべてつかみ取って投げ返しました。

神々は一度撤退しますが、神杉姫が白い布を身体に巻いて舞い、猿鬼を岩穴から誘い出します。猿鬼が筒矢を受け止めると、中に仕込まれた矢が飛び出して目を射抜きました。逃げようとした猿鬼を神杉姫が斬り倒し、十八匹の仲間も討ち取ったとされます。

この伝承は周辺の地名とも結びついています。

  • 当目: 猿鬼の目に矢が当たった場所。
  • 黒川: 猿鬼の黒い血が川となって流れた場所。
  • 大箱: 目を射られた猿鬼がオオバコで傷を洗った場所。
  • 五十里: 猿鬼の血が五十里にわたって流れた場所。

猿鬼の死後は祟りが続きましたが、神杉姫が十七日間にわたって経を唱えたことで、猿鬼は成仏したといいます。

能登町公式観光ガイドでは、岩井戸神社は猿鬼の霊を慰めるために建てられた祠と紹介されています。

各地のバリエーション

  • 石川県七尾市能登島向田: 一本角の猿に似た怪物。伊夜比咩神社のお告げにより派遣された左大将義直公が退治し、その角が神社に伝わる。
  • 石川県能登町当目: 十八匹の仲間を従える猿鬼。気多大明神や神杉姫を中心とした能登の神々と戦い、筒矢で目を射られて退治された。

現代作品での登場

  • 『小説 ゲゲゲの鬼太郎 ~朱の音~』: 短編「ねずみ男ハードボイルド」に登場。池袋を縄張りとし、チンピラ妖怪を束ねる親分として再構成されている。

 

  • 『仁王2』: 「猿鬼(えんき)」の読みで登場。人間に虐げられた猿が霊石の力で妖怪となり、一本角と巨体を得た設定で、能登の伝承とは異なる再構成が行われている。『仁王』公式X

    別名

    • なし

    関連妖怪

    • 猿神: 猿の姿や性質を持つ神。人身御供を要求する怪物として語られる場合もあるが、猿鬼とは別の存在。

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    • 狒々: 長い年月を生きた猿が巨大な怪物になったもの。

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    • 覚: 山中に住む猿に似た妖怪で、人間の心を読む。

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    • 山男: 山中に住む大型の人型妖怪。人里を離れた山を根城とする点で共通する。

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    • 鬼熊: 年老いた熊が怪物となった妖獣。動物が巨大で凶暴な存在となる点で猿鬼と比較できる。

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    • 北陸地方の妖怪をあつめました

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    妖怪検定ポイント

    • 猿鬼は石川県の能登地方に伝わる。
    • 一本角を持つ巨大な猿のような怪物である。
    • 人や家畜を襲い、作物や娘を奪った。
    • 能登島向田では左大将義直公が退治したとされる。
    • 当目では神杉姫たちが筒矢を使って目を射抜いた。
    • 当目、黒川、大箱などの地名由来と結びついている。
    • 岩井戸神社では、退治された猿鬼の霊が祀られている。