貧乏神は、家や人に取り憑き、貧困・病人・災難をもたらすとされた災厄の神。窮鬼とも呼ばれ、焼き味噌や焼き飯で追い払う伝承もあります。

貧乏神(びんぼうがみ)
概要
- 貧乏神は、家や人に取り憑き、貧困や災いをもたらす神・妖怪。
- 読みは「びんぼうがみ」。
- 別名として窮鬼とも呼ばれる。
- 妖怪というより、貧しさや不運を神格化した存在である。
- 取り憑かれた家では、病人や災難が続き、暮らしが傾くとされた。
- 一方で、貧乏神が家を離れると、その家は次第に栄えるとも語られる。
- 疫病神や貧乏神のように、目に見えない不幸を人格化した災厄神の一種といえる。
姿
- 痩せ衰えた老人や法師の姿で現れる。
- 古びた衣をまとっている。
- 菅笠をかぶることがある。
- 頭陀袋を下げた、旅の僧のような姿で語られる。
- 別の伝承では、汚らしいぼろを着た老人として夢に現れる。
- 華やかさや威厳はなく、みすぼらしさ、疲れ、陰気さが強調される。
能力・習性
- 家に取り憑き、貧乏を招く。
- 病人や災難が続く原因とされる。
- 家の運気を下げ、暮らしを衰えさせる。
- 人の夢に現れることがある。
- 家を出ていくと、その家は次第に栄えるとされる。
- 焼き味噌を好むと語られる。
- 焼き飯や焼き味噌を使って、貧乏神を送り出す伝承がある。
代表的な伝承
滝沢馬琴の『兎園小説』には、窮鬼、つまり貧乏神の話がある。
江戸番町のある武家の用人が、下総へ出かける途中、草加の宿で一人の法師に出会った。
その法師は痩せ衰え、古い衣をまとい、菅笠をかぶり、頭陀袋を下げていた。
用人がどこからどこへ行くのかと尋ねると、法師は気味悪く笑って、自分は番町のある屋敷から越谷へ行くのだと答える。
その屋敷は用人の主人の家だった。
不審に思う用人に、法師は自分こそ世にいう貧乏神だと明かす。
その家では病人や災難が絶えなかったが、それは自分がいたからだという。
しかし、その家はすでにどん底なので、これから別の家へ移る。
だから今後は主人の家にも幸福が訪れるだろう、と法師は告げた。
用人が屋敷に戻ると、やがて法師の言葉どおり、その家は次第に栄えはじめたという。
また、別の話では、ある人の夢に汚らしいぼろを着た老人が現れた。
その夢を見て以来、家の物事は悪い方へ傾き、貧乏になっていった。
数年後、再び夢に同じ老人が現れ、焼き飯と焼き味噌を少し用意し、折敷に載せて裏口から持ち出し、近くの川へ流すように教えた。
その通りにすると、家はようやく貧乏から逃れられたという。
ただし、焼き味噌は貧乏神の好物なので、あまり多く作ってはならないとも言われた。
各地のバリエーション
- 江戸番町・草加宿の窮鬼伝承
旅の法師の姿で現れ、自分が貧乏神であると名乗る。貧乏神が家を出ることで、その家が栄えはじめる話として語られる。 - 焼き飯・焼き味噌で送る貧乏神
夢に現れた老人の指示に従い、焼き飯と焼き味噌を折敷に載せて川へ流すことで、貧乏から逃れる話がある。 - 貧乏神送りの信仰
地域によっては、貧乏神を家から送り出す行事やまじないが語られる。貧乏神は倒す対象ではなく、うまく外へ出ていってもらう存在として扱われた。
現代作品での登場
- 『桃太郎電鉄』シリーズ
貧乏神は、『桃太郎電鉄』シリーズを通じて現代でも非常に有名になった。プレイヤーに取り憑き、不利益をもたらすキャラクターとして登場し、キングボンビーなどの派生形でも知られる。伝承上の貧乏神を、ゲーム的な災厄キャラクターとして大きくアレンジした代表例である。
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- 漫画・アニメ『貧乏神が!』
タイトルからもわかる通り、貧乏神を現代的なキャラクターとして扱った作品。民俗上の貧乏神そのものをそのまま再現したものではないが、「不幸・貧乏をもたらす神」というモチーフをポップに再構成した例といえる。
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- 『ゲゲゲの鬼太郎』
第6期 第87話「貧乏神と座敷童子」に登場。作中では、貧乏神と座敷童子の対比が描かれます。Prime Videoの第6期ページ内で該当話を選んで視聴・レンタルできます。
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別名
- 窮鬼
- 貧窮神
- 貧神
- びんぼう神
関連妖怪
- 福の神
貧乏神と対になる存在。福や財をもたらす神で、貧乏神が災厄側なら、福の神は幸運側の代表である。
- 疫病神
疫病をもたらす災厄神。貧乏神と同じく、目に見えない不幸を人格化した存在として関連が深い。
- 疱瘡神
疱瘡をもたらす病の神。災いを神格化する発想が貧乏神と共通する。
- 座敷童子
家に住みつく霊的存在。座敷童子がいる家は栄えるとされ、家運に関わる点で貧乏神と対比しやすい。
妖怪検定ポイント
- 読みは「びんぼうがみ」。
- 別名として窮鬼とも呼ばれる。
- 家や人に取り憑き、貧乏・病人・災難をもたらす。
- 痩せ衰えた法師や、汚らしい老人の姿で現れる。
- 家を離れると、その家は栄えはじめることがある。
- 焼き味噌を好むとされる。
- 焼き飯と焼き味噌を折敷に載せ、川へ流して貧乏神を送る伝承がある。