クタベ(くたべ)
クタベは、越中立山に現れ、疫病の流行を予言したとされる人面獣身の予言獣です。自らの絵を見ることで病難を免れると告げた、江戸後期の疫病除け怪異を解説します。

概要
- クタベは、江戸後期に「越中立山に現れた」とする刷物で広まった予言獣・疫病除けの怪異です。
- 富山県[立山博物館]によれば、話は文政10年(1827)冬から文政11年(1828)春にかけて流行しました。
- ただし、立山周辺で古くから口承されてきた妖怪ではありません。都市部を中心に流行した刷物・読み物の怪異で、「立山に伝わるクタベ」ではなく、立山に住むとされたクタベと捉えるのが正確です。
姿
- 人間の顔に、獣の体を持つ姿で描かれます。
- 資料ごとに細部は異なり、体格や目の数などは一定していません。
- 共通するのは、人と獣が混ざった正体不明の霊獣としての姿です。
能力・習性
- 近い将来に流行する、正体不明の疫病を予言します。
- 自らの姿、または絵を見た者は病難を免れると告げます。
- 人を襲う怪物ではなく、災いを知らせ、絵姿による厄除けを伝える存在です。
代表的な伝承
- 越中立山の薬種塚で薬草を掘る人の前に、クタベが現れた。
- クタベは「四、五年のうちに、名も分からない病で多くの人が死ぬ」と予言した。
- そして、自分の姿を描いて見せれば病難を逃れられると告げたため、その絵姿が広まったといいます。
各地のバリエーション
- なし
クタベは地域ごとに形を変えて伝わる妖怪というより、江戸後期に刷物で流行した予言獣です。
現代作品での登場
- 水木しげる『妖怪ビジュアル大図鑑』
「クタ部」の名で紹介されています。水木しげるによるクタベの図像があることは、富山縣護國神社の紹介でも確認できます。
リンク
別名
- クダベ
- クタ部
関連妖怪
- アマビエ
海から現れて疫病を予言し、自分の絵を見せるよう告げた予言獣。クタベとは別の怪異ですが、絵姿を疫病除けにする発想が共通します。
- 神社姫(じんじゃひめ)
疫病流行を告げる予言獣の一つ。立山博物館は、江戸後期の記録でクタベが神社姫と同類の流行怪異と見られていたことを紹介しています。
- 件(くだん)
クタベの刷物には「唐名ニ而ハ件、日本ニ而ハくたべ」と記す例があります。ただし、件とクタベは姿や伝承が同一ではなく、同じ予言獣群として比較するのが安全です。
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妖怪検定ポイント
- 読みはくたべ。
- 越中立山に現れたとされる、人面獣身の予言獣。
- 江戸後期、文政10〜11年ごろに刷物で流行した。
- 疫病の流行を予言し、絵姿を見る者は病難を免れると告げた。
- 立山の古い地域伝承ではなく、「立山に住む」とされた流行怪異。
- 表記にはクダベもある。