清姫は、安珍への思いから大蛇となり、道成寺の鐘に隠れた彼を焼き尽くしたと伝わる女。安珍・清姫伝説のあらすじ、蛇体への変身、橋姫や般若との関係を解説します。

清姫(きよひめ)
概要
- 清姫は、安珍への思いを裏切られた末に蛇体となったと伝わる女性です。
- 紀州熊野への参詣者・安珍と、彼を宿に迎えた真砂庄司の娘・清姫の悲劇として語られます。
- 清姫はもともと人間の娘であり、はじめから蛇の妖怪だったわけではありません。
- 恋慕、怒り、執念が蛇への変身として表される、道成寺伝説を代表する女怪です。
姿
- はじめは庄司の娘として、若い女性の姿で現れます。
- 安珍を追ううちに、人の姿を失って大蛇のような蛇体へ変わります。
- 道成寺の鐘へ巻きつき、七重に取り巻く姿が印象的に語られます。
- 後世の芸能や絵画では、女の顔を残した蛇、あるいは鬼女に近い姿として表現されることもあります。
能力・習性
- 人の姿から蛇体へ変身する。
- 川を越えて逃げる安珍を執拗に追いかける。
- 呪法で妨げられても追跡を止めない。
- 道成寺の鐘へ巻きつき、内部に隠れた安珍を焼き尽くす。
- 水辺や鐘と結びつくというより、裏切られた思いが蛇の姿となって現れた存在です。
代表的な伝承
道成寺の伝承が有名
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伝承の要点
- 奥州白河の修行者・安珍は、熊野へ参詣するたび真砂庄司の家に泊まっていました。
- ある年、安珍は庄司の娘・清姫へ、嫁にして奥州へ連れて行くと軽口を言います。
- 清姫はその言葉を信じましたが、妻帯できない安珍は彼女を避けて逃げ出しました。
- 清姫は切目川まで追いかけ、いつしか蛇体となってなおも安珍を追います。
- 安珍は道成寺の釣り鐘へ隠れますが、清姫は鐘を七重に巻き、激しい炎で鐘ごと焼き尽くしたといいます。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- 能『道成寺』
安珍・清姫伝説を下敷きに、女の執心が鐘へまとわりつく蛇体として表現される演目です。
リンク
- 人形浄瑠璃『日高川入相花王』
日高川を渡って安珍を追う清姫を中心に描く作品です。川を渡れない清姫の怒りと変身が見どころとなります。
- 歌舞伎舞踊『京鹿子娘道成寺』
清姫の名を直接出さない翻案ですが、道成寺伝説と女の執心を受け継ぐ代表的な舞踊作品です。
リンク
別名
- なし
関連妖怪
- 橋姫
裏切られた女が恨みから鬼女へ変じる伝承を持つ存在。清姫と同じく、恋慕や嫉妬が恐ろしい変身として語られます。
- 般若
女の激しい怒りや嫉妬を表す鬼女のイメージ。清姫そのものではありませんが、女性の執念が異形へ変わる表現として近い存在です。
妖怪検定ポイント
- 読みはきよひめ。
- 安珍・清姫伝説に登場する女性。
- 真砂庄司の娘とされる。
- 安珍の軽口を信じ、逃げられたことで執念を募らせた。
- 切目川で蛇体となり、安珍を追い続けた。
- 安珍は道成寺の鐘へ隠れた。
- 清姫は鐘を七重に巻き、炎で安珍を焼き尽くした。
- 蛇は、裏切られた恋慕や執念の強さを象徴する姿として描かれます。