雪爺は、越後の山々に伝わる白髪の老人姿の雪妖怪。雪崩が起こるときだけ現れ、大木を押し流し、その年の豊作や凶作を知らせたとされます。

雪爺(ゆきじじい)
概要
雪爺は、越後の雪山に現れる老人姿の妖怪です。
雪爺の特徴は、ただ人を脅かす妖怪ではないことです。
雪崩が起こるときにだけ姿を現し、その雪崩によって押し流される大木の行き先で、豊作や凶作を知らせたとされます。
そのため、雪爺は雪山の恐怖を象徴する妖怪であると同時に、農作の吉凶を告げる予兆のような存在でもあります。
姿
雪爺は、老人の姿をした雪妖怪です。
- 白い衣を着ている
- 白髪の老人として現れる
- 鍬を持っている
- 雪の中に埋もれるようにして現れる
- 雪山や雪崩の中にまぎれる姿で語られる
雪女が若い女性の姿で語られることが多いのに対し、雪爺は年老いた男性の姿をとります。
また、鍬を持っている点から、農作や土地の実りと結びついた存在としても見えます。
能力・習性
- 雪崩が起こるときだけ姿を現す。
- 雪崩とともに山から下ってくる。
- 大木を雪崩で押し流す。
- 大木がどこへ流れ着くかによって、豊作や凶作を知らせる。
- 普段から人里を歩き回る妖怪ではない。
- 人に近寄って襲う性質は確認されない。
- 村人に農作の吉凶を伝える存在と考えられる。
雪爺は、人間を直接襲う妖怪というより、雪山の自然現象と農業の予兆が結びついた怪異です。
代表的な伝承
- 越後のある山では、毎年二月ごろになると、決まって夜中に雪崩が起きた。
- 雪崩を観察していると、白い衣を着て鍬を持った白髪の老人が、雪に埋もれるようにして現れた。
- この老人が、雪崩で山中の大木を押し流すといわれた。
- 大木が須川村の方へ下った年は豊作になるとされた。
- 大木が菖蒲村の方へ下った年は凶作になるとされた。
- 雪爺は雪崩のときだけ姿を現し、雪女のように人里を歩き回ることはない。
- 村人に豊作や凶作を前もって知らせるため、農業の神に近い存在とも考えられる。
各地のバリエーション
なし
現代作品での登場
なし
別名
- 雪じじい
- 雪爺さん
- 雪の老人
関連妖怪
- 雪女
雪の妖怪の代表格。雪爺と同じく雪山や吹雪に関わるが、女性の姿で語られることが多い。
- 雪婆
老婆姿の雪妖怪。雪爺とは性別・年齢イメージが近く、雪の老人系妖怪として並べやすい。
- 雪入道
入道姿の雪妖怪。雪爺と同じく、雪の妖怪ファミリーに含まれる存在。
- 雪童子
子ども姿の雪妖怪。雪爺が老人なら、雪童子は子どもの姿をした雪の怪異として対比できる。
- つらら女
氷柱や雪に関わる女性妖怪。雪や氷が人の姿を取る点で関連する。
- 雪鬼
雪や寒さに関わる鬼系の妖怪。雪爺とは性質が異なるが、雪国の怪異として関連づけられる。
妖怪検定ポイント
- 読みは「ゆきじじい」。
- 越後、現在の新潟県周辺に伝わる雪の妖怪。
- 白い衣、白髪、鍬を持つ老人の姿。
- 雪崩が起こるときだけ現れる。
- 大木の流れ着く先で、豊作・凶作を知らせる。
- 雪女・雪婆・雪童子などと同じ雪妖怪の仲間。