怨霊は、強い恨みや無念を残して死んだ者の霊。災害・病・怪異をもたらすと恐れられ、御霊信仰や天神信仰、平家の怨霊、崇徳院伝説にもつながる日本怪異の重要概念です。

怨霊
概要
- 怨霊は、恨み・無念・執念を残して死んだ者の霊。
- 読みはオンリョウ。
- 幽霊が「死者の霊」全般だとすれば、怨霊はその中でも祟る力を持つ危険な霊。
- 個人への恨みだけでなく、疫病・雷・災害・戦乱など、社会全体の異変の原因と考えられることもあった。
姿
- 怨霊の姿は一定しない。
- 白装束の幽霊として現れることもあれば、鬼、蛇、火、怪音、病、災害として現れることもある。
- 『決定版 日本妖怪大全』では、怨霊はときに火となってさまようとも説明され、陰火・遺念火・人魂などの怪火ともつながる。
- また、平家蟹のように、生き物へ怨霊が乗り移ったとされる例もある。
能力・習性
- 怨霊は、人に祟る。
- 祟りの内容は、病気、事故、怪異、雷、火災、疫病、政治的混乱など幅広い。
- 菅原道真は、死後に怨霊として恐れられたのち、天神として信仰されるようになった人物として有名。坂東市の天神信仰紹介でも、道真の霊は当初怨霊として恐れられ、その後、天神として崇められたと説明されている。
- 北野天満宮の由来でも、多治比文子に菅原道真の怨霊が乗り移り、御霊を祀れという託宣があったとされる。
代表的な伝承
- 代表格は、菅原道真の怨霊。
- 道真は政争に敗れて大宰府へ左遷され、失意のうちに死んだ。
- その後、都で落雷や不幸が続いたため、道真の怨霊の祟りと恐れられた。
- やがて道真は天神として祀られ、現在では学問の神として広く信仰されている。
- もう一人の大物が、崇徳院/崇徳上皇。
- 保元の乱に敗れて讃岐へ流され、強い怨みを残したとされる人物で、日本三大怨霊の一人に数えられることが多い。
各地のバリエーション
- 京都・菅原道真の怨霊
- 雷・疫病・政変などと結びつき、のちに天神として祀られた。
- 香川県・崇徳院の怨霊
- 讃岐に流された崇徳上皇の怨霊信仰。白峯寺・白峰神社など、崇徳上皇ゆかりの信仰地が残る。
- 山口県下関・平家の怨霊
- 壇ノ浦で滅びた平家一門の霊が、海の怪異や平家蟹、耳なし芳一の伝承と結びつく。
- 畑怨霊
- 凶作で餓死した人々を葬らずに放っておくと妖怪になって出るもの
現代作品での登場
- 映画『リング』シリーズ
- 貞子は現代日本ホラーを代表する怨霊的キャラクター。井戸・呪いのビデオ・死後も続く怨念という要素が、怨霊の現代的な表現として非常に分かりやすい。
リンク
- 映画『呪怨』シリーズ
- 伽椰子は、家に残った強い怨念が人を呪う存在として描かれる。
リンク
- 『貞子vs伽椰子』
- 『リング』の貞子と『呪怨』の伽椰子を「2大怨霊」として扱う。現代ホラーにおける怨霊イメージの代表的な受容例。
リンク
- 『ゲゲゲの鬼太郎』
- 怨霊そのものというより、怨みを残した死者・供養されない霊・祟り神などが多数登場する。
- ゲゲゲの鬼太郎の定番妖怪を集めています
- 『ウルトラマンコスモス』
怨霊鬼 戀鬼が登場。戦国時代に「紅蓮騎」の異名で恐れられていた騎馬武者の怨霊です
- ウルトラ怪獣の元ネタ妖怪まとめもどうぞ
別名
- 悪霊
- 祟り霊
- 御霊
- 死霊
- 亡霊
関連妖怪
- 幽霊
死者の霊の総称。怨霊は、その中でも恨みや祟りの力が強いもの。
- 生霊
生きている人の怨みや執念が霊となって現れるもの。怨霊が死者寄りなら、生霊は生者寄り。
- 死霊
死者の霊。怨霊は、死霊の中でも特に恨みが強く、祟る性格を持つ。
- 平家の怨霊
壇ノ浦で滅びた平家一門の霊。耳なし芳一、平家蟹、船弁慶などと関係する。
- 畑怨霊
凶作で餓死し、葬られなかった人々の霊が妖怪化したもの。
- 遺念火
怨念・未練が火となって現れる沖縄の怪火。怨霊が火になる例として近い。
- 狂骨
井戸に捨てられた白骨の怨みが妖怪化したもの。怨霊が形を得た妖怪として近い。
妖怪検定ポイント
- 怨霊は、恨みや無念を残して死んだ者の霊として覚える。
- 検定向きキーワードは、怨霊・祟り・御霊信仰・菅原道真・崇徳院・平家の怨霊・畑怨霊。
- 怨霊は、病気・雷・災害・戦乱などを引き起こすと恐れられた。
- 怨霊は祓うだけでなく、神として祀って鎮めることがある。
- 菅原道真は怨霊から天神へ転じた代表例。
- 崇徳院は、日本三大怨霊の一人として語られることが多い。
- 平家の怨霊は、壇ノ浦・耳なし芳一・平家蟹などの怪異と結びつく。
