ダキは、佐賀県唐津市の加唐島に現れる女妖怪です。魚を求めて漁師に近づき、命を奪おうとした伝承や、艫綱をつけない船の習慣を紹介します。

ダキ
概要
ダキは、佐賀県唐津市鎮西町の加唐島に現れ、人間の命を狙う女の妖怪です。
断崖下の海岸で火を焚いていた漁師の前へ現れ、魚を要求しました。漁師が機転を利かせて船で逃げると、「命を取り損ねた」と悔しがったと伝えられています。
また、水木しげるは磯女や濡れ女の一種である可能性を示しています。ただし、同一妖怪と確定しているわけではありません。
姿
- 伝承では、見知らぬ女の姿で現れたこと以外、容姿の詳細は語られていません。
- 水木しげるの妖怪画では、長い髪を垂らし、大きく見開いた目と欠けた歯を持つ、恐ろしげな女として描かれています。
- 人間の女性に見える姿で漁師へ近づくため、正体に気づくのが遅れれば、逃げる機会を失う危険があります。
能力・習性
ダキには次のような特徴があります。
- 加唐島の断崖下にある海岸へ現れる
- 海岸で火を焚く漁師へ近づく
- 人間の女の姿をしている
- 漁師に魚を要求する
- 魚ではなく、最終的には人間の命を狙う
- 船で逃げられると追ってこられない
- 人間の機転によって欺くことができる
伝承には、人間をどのような方法で殺すのかは記されていません。しかし、ダキ自身が「命を取り損ねた」と口にしているため、魚をもらうことだけが目的ではなかったと分かります。
代表的な伝承
- あるとき、東唐津の漁師が二人の子供を連れ、加唐島の断崖下にある海岸へ上がりました。
- 親子が火を焚いていると、見知らぬ女が近づいてきて、魚をくれと要求します。長年の経験から異変を感じた父親は、二人の子供へ、船から魚を持ってくるよう命じました。
- しかし、船には最初から魚など積まれていません。子供たちは船の中から、魚が見つからないと叫びました。
- 父親は「そんなはずはない」と言いながら自分も船へ乗り込みます。そして乗船するや否や、艫綱と錨綱を切り、子供たちとともに沖へ逃げ出しました。
- 女は追いかけることができず、「命を取り損ねた」と悔しがったといいます。
- この出来事以降、東唐津の船は加唐島へ来ても、錨を下ろすだけで艫綱をつけなくなりました。すぐ船を出せる状態にして、ダキから逃げられるようにしたのです。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- 『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪横丁』: 佐賀県のご当地妖怪として登場。妖怪図鑑では493番に登録され、加唐島の断崖にすむ女妖怪として設定されている。ゲーム公式アカウントの紹介
別名
- なし
関連妖怪
- 磯女: 九州各地の海岸に現れ、漁師や船乗りを襲う女妖怪。ダキと同系統である可能性が指摘されている。
- 磯幽霊: 加唐島で生魚を求め、船人に艫綱を切って逃げられたという類似伝承を持つ。
- 濡れ女: 海や水辺に現れる、濡れた長い髪を持つ女妖怪。水木しげるがダキとの関連を指摘している。
- 磯姫: 鹿児島県の海岸に現れ、人間の血を吸うとされる美女姿の妖怪。
- 海女房: 海上や海岸に現れ、船や漁師を襲う女妖怪。
- 船幽霊: 船乗りを襲って航行を妨げる海上の怪異。船の道具や停泊方法による対策が伝えられる点で関連する。
- 水辺に潜む妖怪達をあつめました
- 九州地方の妖怪達をあつめました
妖怪検定ポイント
- ダキは佐賀県唐津市鎮西町の加唐島に伝わる。
- 断崖下の海岸へ女の姿で現れる。
- 漁師に魚を要求するが、本当の目的は人間の命だった。
- 漁師は船に魚を取りに行くふりをして逃げた。
- 伝承以降、東唐津の船は加唐島で艫綱をつけなかった。
- 水木しげるは磯女や濡れ女の一種である可能性を示している。
- 古い資料には「磯幽霊」「磯女」として類似する話が記録されている。