提灯小僧は、仙台城下の小雨が降る夜に現れ、通行人を何度も追い越す妖怪です。ホオズキのように赤い顔や、殺人現場との関係を紹介します。

提灯小僧(ちょうちんこぞう)
概要
提灯小僧は、宮城県仙台市に伝わる、真っ赤な顔をした小僧の妖怪です。
小雨の降る夜道に現れ、歩いている人を後ろから追い越しては、少し先で立ち止まって待っています。相手が提灯小僧を追い越すと、再び追い越して待つという行動を繰り返します。
水木しげる『決定版 日本妖怪大全』では、人が理由もなく殺された場所の付近に現れる妖怪とされています。
姿
- 人間の少年と変わらない小僧の姿をしていますが、顔はホオズキの実に例えられるほど真っ赤です。
- 水木しげるの妖怪画では、着物を着て大きな提灯を手にした姿で描かれています。
- また、『宮城縣史 民俗3』に収録された伝承では、十二、三歳ほどの少年が小提灯を持って現れたとされています。
能力・習性
提灯小僧は、小雨の降る夜道を歩く人の後ろから現れます。
その行動は次のとおりです。
- 通行人を後ろから追い越す
- 少し先で立ち止まり、相手を待つ
- 相手に追い越されると、再び追い越す
- 顔を見られると姿を消す
通行人を襲ったり、傷つけたりする伝承は確認できません。何度も追い越して相手を不安にさせ、赤い顔を見せて驚かせる妖怪です。
代表的な伝承
- 昔、仙台の城下町を、一人の侍が提灯で足元を照らしながら歩いていました。
- 途中で小雨が降り始めたため、侍が急いでいると、後ろから見知らぬ小僧が近づいてきました。小僧は侍を追い越しましたが、そのまま先へ行かず、立ち止まって侍を待っています。
- 侍が小僧を追い越すと、小僧は再び侍を追い越しました。これを何度も繰り返すため、侍は負けるのも癪だと思い、小僧へ急いで近づきます。
- 侍が小僧の顔をのぞき込むと、その顔は真っ赤でした。侍が驚いて立ち止まると、小僧は間もなく姿を消してしまいました。
- 翌日、侍が友人に話すと、友人も小雨の夜に同じ小僧と遭遇しており、それが提灯小僧という妖怪だと教えたといいます。
- 国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」に収録された『宮城縣史 民俗3』の伝承では、出現場所は仙台の堤通東横丁付近とされています。
- この場所に屋敷を構えていた富岡十之介が、正徳年間の七月十五日、盆火見物から帰った後に乱心し、妻を井戸の近くで斬り殺したと伝えられています。それ以降、夜になると付近で妖火が燃え上がり、提灯小僧も現れるようになったとされます。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- 水木しげるロード: 水木しげるが描いた提灯小僧をもとにした妖怪ブロンズ像が設置されている。水木しげる記念館公式サイトでも、宮城県仙台市に現れる妖怪として紹介されている。
別名
- なし
関連妖怪
- 雨ふり小僧: 雨とともに現れる子供姿の妖怪。ただし、提灯小僧とは別の妖怪。
- 提灯火: 夜の田畑などに現れる提灯のような怪火。
- 送り提灯: 夜道を歩く人についてくる、本所七不思議の怪異。
- 鬼火: 死者や殺人のあった場所と結びつけられる怪火。
- 提灯お化け: 古い提灯が化けた付喪神。小僧姿の提灯小僧とは異なる。
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妖怪検定ポイント
- 提灯小僧は宮城県仙台市に伝わる。
- 小雨の降る夜に現れる。
- 顔はホオズキのように真っ赤である。
- 通行人を追い越しては、先で立ち止まって待つ。
- 人が理由もなく殺された場所に現れるとされる。
- 直接人を襲う妖怪ではない。