方相氏は、四つ目の仮面をつけて悪鬼や疫病神を追い払う鬼神。中国の追儺から日本へ伝わった役割や魍魎との関係を紹介します。

方相氏(ほうそうし)
概要
- 方相氏は、人間の目には見えない悪鬼や疫鬼を追い払う鬼神です。
- 四つの目と頭の角を持つ恐ろしい姿をしていますが、自ら人間へ災いをもたらす存在ではありません。むしろ、悪鬼や疫病を追い払うために恐ろしい姿をした魔除け・疫病除けの存在です。
- もともとの方相氏は、中国の追儺という儀式で悪鬼や悪疫を追い払う役目を担った者です。その儀式が日本へ伝わり、古い神社などの追儺行事にも方相氏が登場するようになりました。
姿
- 頭に角が生えている。
- 顔には四つの目がある。
- 鬼のような恐ろしい外見をしている。
- 中国の儀式では、役人が黄金の四つ目の仮面をかぶる。
- 黒い衣と朱色の裳を身につける。
- 戈と盾を持つ。
「目が3つ以上ある妖怪」を集めました。
能力・習性
- 人間には見えない疫鬼を見つける。
- 悪鬼や悪疫を追い払う。
- 四つの目で四方を監視する。
- 疫病神を追い払う儀式を行う。
- 葬儀では、死者へ害を及ぼす妖怪を追い払う。
- 墓穴へ入り、武器で四隅を打って邪悪な存在を狩り立てる。
方相氏は鬼のような見た目をしていますが、鬼を退治する側です。
恐ろしい姿には、邪悪なものを威圧し、人間の世界から追い払う役割があります。
代表的な伝承
中国の追儺
方相氏は、もともと中国で行われた追儺の儀式で活躍する存在でした。
- 役人が黄金の四つ目の仮面をかぶる。
- 黒衣と朱色の裳を身につける。
- 戈を手に持つ。
- 盾を掲げる。
- 悪鬼や疫病神を追い払う。
- 四つの目で四方を警戒する。
この儀式が日本にも伝わり、古い神社などで行われる追儺行事に方相氏が登場することがあります。
葬儀で妖怪を追い払う方相氏
水木しげる『決定版 日本妖怪大全』では、唐代中国の『酉陽雑俎』に記された話も紹介されています。
死者の肝を好んで食べる妖怪による害が予想されるとき、方相氏が葬儀に先立って墓へ向かいました。
- 棺より先に墓へ行く。
- 棺を納める墓穴へ入る。
- 戈で墓穴の四隅を打つ。
- 死者へ害を及ぼす妖怪を狩り立てる。
- 安全を確保してから棺を迎える。
ここでも方相氏は、死者や人間を害する存在ではなく、墓へ入り込む邪悪なものを追い払う守護者として登場します。
各地のバリエーション
- なし
中国から日本へ伝わったことは説明されていますが、地域ごとの方相氏の伝承差までは記載されていません。
現代作品での登場
- なし
別名
- 険道神(けんどうしん)
『酉陽雑俎』に方相氏を険道神とも呼んだと記されていると紹介されることがあります
荒々しく、とげとげしい気質や表情を持つ神と考えられていたようです。
関連妖怪
- 疫鬼(えきき)
疫病をもたらす悪鬼。方相氏が追い払う代表的な相手で、人間の目には見えないとされる。
- 疫病神(やくびょうがみ)
疫病をもたらす神。追儺では、方相氏が悪鬼とともに追い払う対象となる。
- 魍魎(もうりょう)
『酉陽雑俎』の話では、死者の肝を食べる妖怪として登場し、方相氏によって墓から追い払われる。
- 鬼の仲間達を集めました
妖怪検定ポイント
- 読みはほうそうし。
- 四つの目を持つ。
- 頭に角が生えている。
- 鬼のような姿だが、悪鬼を追い払う側の存在。
- 人間には見えない疫鬼を退散させる。
- もともとは中国の追儺で悪鬼や悪疫を追い払う役目。
- 役人が黄金の四つ目の仮面をかぶった。
- 黒衣と朱色の裳を身につけた。
- 戈と盾を持った。
- 四つの目は四方を警戒するためとされる。
- 日本にも伝わり、古い神社の追儺行事に登場する。
- 『酉陽雑俎』では葬儀に先立って墓穴へ入り、死者を害する妖怪を追い払う。
- 険道神とも呼ばれたとされる。