六右衛門狸は、徳島県津田浦を支配した化け狸。弟子の金長狸と対立し、阿波狸合戦を引き起こした四国狸の総領です。

六右衛門狸(ろくえもんだぬき)
概要
六右衛門狸は、阿波国の津田浦、現在の徳島県徳島市津田周辺にいたとされる大狸です。
四国の狸を束ねる総領として語られ、位を得るために修行へ訪れた金長狸を弟子にしました。しかし、優れた才能を持つ金長を警戒したことで両者は対立し、やがて多数の狸を巻き込む「阿波狸合戦」へ発展します。
阿波狸合戦の物語に登場し、金長との戦いに敗れたと記されます。六右衛門狸は悪役として描かれることが多いものの、巨大な勢力を率いた狸の首領であり、金長と並ぶ阿波狸合戦の中心人物です。
姿
- 年を経た大狸の姿。
- 人間に化ける能力を持つと考えられる。
- 多数の狸を従える親分・総領として描かれる。
- 妖怪画や石像では、腹の大きな堂々とした狸姿で表現されることが多い。
- 毛色や体の大きさなど、伝承上の詳しい外見は定まっていない。
能力・習性
- 人間の姿へ化ける。
- 多数の狸を家来として従える。
- 若い狸へ修行をつけ、位を授ける。
- 金長狸の才能を見抜き、後継者にしようとする。
- 敵対した狸へ追っ手を差し向ける。
- 数百匹規模の狸軍を率いて戦う。
- 金長狸と互角に近い戦いを繰り広げる。
代表的な伝承
六右衛門狸の代表的な物語は、江戸時代末期の阿波を舞台とする「阿波狸合戦」です。
- 日開野の金長狸が、狸としての位を高めるため津田浦を訪れた。
- 金長は、四国の狸の総領である六右衛門狸へ弟子入りした。
- 六右衛門狸は金長の才能を高く評価した。
- 自分の娘・鹿の子姫と結婚させ、養子に迎えようとした。
- 金長は、恩人である大和屋茂右衛門のもとへ戻るため縁談を断った。
- 六右衛門狸は、金長が将来の脅威になると考えて追っ手を放った。
- 金長の家来・大鷹が戦死し、両者の対立は決定的になった。
- 金長軍と六右衛門軍は、勝浦川を挟んで大規模な合戦を繰り広げた。
- 金長は六右衛門狸を討ち取ったが、自らも深手を負って亡くなった。
小松島市が紹介する物語では、両軍の戦いは三日三晩に及んだとされます。
一方、伝承には異説もあります。金長と六右衛門狸のどちらが勝ったか決まらないまま両者が死亡し、二代目金長と六右衛門狸の子による弔い合戦が起きたのち、屋島の禿狸の仲裁で和解したという話も記録されています。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- なし
別名
- 津田の六右衛門
- 六右衛門
関連妖怪
- 金長狸(きんちょうだぬき)
六右衛門狸へ弟子入りした日開野の大狸。のちに対立し、阿波狸合戦で六右衛門軍と戦った。
- 屋島の禿狸(やしまのはげだぬき)
香川県屋島に伝わる大狸。異説では、次の世代まで続いた狸合戦を仲裁したとされる。
- 大鷹(おおたか)
金長狸に仕えた化け狸。六右衛門狸が差し向けた追っ手と戦い、金長を守って命を落とした。
- 鹿の子姫(かのこひめ)
六右衛門狸の娘とされる化け狸。父が金長狸との縁談を進めたと語られる。
- 隠神刑部狸(いぬがみぎょうぶだぬき)
愛媛県松山市に伝わる大狸。多数の狸を従える強大な首領という点で六右衛門狸と共通する。
- 芝右衛門狸(しばえもんだぬき)
淡路島に伝わる名高い化け狸。六右衛門狸や金長狸とともに、四国周辺を代表する狸伝説の一つ。
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妖怪検定ポイント
- 読みはろくえもんだぬき。
- 徳島県の津田浦にいたとされる。
- 四国の狸の総領として語られる。
- 金長狸を弟子にした。
- 金長を養子に迎えようとしたが断られた。
- 金長軍と阿波狸合戦を繰り広げた。