塗坊は、長崎県壱岐島の夜道に現れて人の行く手を塞ぐ妖怪。塗壁との違いや、棒・休憩・煙草で消えるという対処法を紹介します。

塗坊(ぬりぼう)
概要
塗坊は、長崎県の壱岐島に伝わる、夜道で人の行く手を塞ぐ妖怪です。
山の崖のような場所から突然「ヌッ」と現れ、通行人の前に立ちはだかるといいます。
福岡県遠賀地方に伝わる塗壁とよく似ていますが、塗坊と塗壁は同じ妖怪ではありません。
塗坊は、巨大な壁そのものが出現するというより、夜道の前方に正体不明の何かが現れ、進めなくなる怪異と考えられます。
姿
- はっきりとした姿を持たない。
- 山の崖のような場所から突然現れる。
- 人の前方へ「ヌッ」と姿を現す。
- 壁のように行く手を塞ぐ。
- 塗壁よりも輪郭が曖昧とされる。
水木しげる『決定版 日本妖怪大全』の挿絵では、夜道を進む人々の前へ、巨大な黒い塊のようなものが現れる姿で描かれています。
「坊」という名前から僧侶のような姿を想像しやすいものの、僧侶姿だとする説明はありません。
能力・習性
- 夜道に現れる。
- 山の崖などから突然出現する。
- 人間の進路を塞ぐ。
- 棒切れなどで払うと消える。
- 石に腰を下ろすと消える。
- 煙草を一服すると消えることもある。
- 人を直接襲うという伝承はない。
塗坊に出会ったとき、無理に前へ進もうとする必要はありません。
棒切れで払ったり、石へ腰を下ろしたり、煙草を一服したりすると消えるとされています。
代表的な伝承
長崎県壱岐島では、塗坊が夜道によく現れたといいます。
- 夜道を歩いている。
- 山の崖のような場所から何かが「ヌッ」と現れる。
- 前方を塞がれ、先へ進めなくなる。
- 棒切れなどで払うと消える。
- 石へ腰を下ろして休んでも消える。
- 煙草を一服すると消えることもある。
塗壁との違い
塗坊を見るうえで、最も重要なのが塗壁との区別です。
| 妖怪 | 主な伝承地 | 特徴 |
|---|---|---|
| 塗坊 | 長崎県壱岐島 | 山の崖などから現れる。姿がはっきりしない |
| 塗壁 | 福岡県遠賀地方 | 夜道の前方が壁のようになり、進めなくなる |
塗壁は、前方に巨大な壁ができたように感じられる怪異です。棒で下の方を払うと消えるとされています。
一方の塗坊は、棒で払うだけでなく、石へ腰を下ろしたり、煙草を一服したりしても消えるといいます。
各地のバリエーション
- なし
主要な伝承地は長崎県壱岐島です。
現代作品での登場
- なし
別名
- なし
関連妖怪
- 塗壁(ぬりかべ)
福岡県遠賀地方に伝わる妖怪。夜道の前方を壁のように塞ぐ。塗坊と非常によく似ている。
- 衝立狸(ついたてだぬき)
徳島県に伝わる怪異。狸が人の前に壁のようなものを作り、行く手を遮るとされる。
- 野会(のあい)
高知県に伝わる怪異。前方へ果てしない壁のようなものが現れ、通行を妨げる。
- シチ
沖縄本島北部の山原地方に伝わる怪異。山道を真っ黒なものが塞ぎ、人を迷わせる。
妖怪検定ポイント
- 読みはぬりぼう。
- 長崎県壱岐島に伝わる。
- 夜道に現れる妖怪。
- 山の崖のような場所から「ヌッ」と現れる。
- 人間の行く手を塞ぐ。
- 姿ははっきりしない。
- 棒切れなどで払うと消える。
- 石へ腰を下ろして休むと消える。
- 煙草を一服しても消えるとされる。
- 福岡県遠賀地方の塗壁とよく似ている。