衝立狸は、徳島県美馬市に伝わる化け狸。夜道に巨大な衝立を出して通行を妨げ、石碑によって封じられた伝承を紹介します。

衝立狸(ついたてだぬき)
概要
衝立狸は、徳島県美馬郡脇町、現在の美馬市周辺に伝わる化け狸です。
夜更けに寂しい道を通ると、突然、道の中央へ巨大な衝立のようなものが現れ、先へ進めなくなったといいます。狸そのものが姿を見せるのではなく、通行を妨げる怪異を狸の仕業と考えたものです。
姿
- 狸自体の姿は明確に伝えられていない。
- 人前には、道幅をふさぐ巨大な衝立として現れる。
- 衝立は実体のある壁のように感じられるが、勇気を出して進めば通り抜けられる。
能力・習性
- 夜更けの道に巨大な衝立を出現させる。
- 道行く人を驚かせ、引き返させる。
- 衝立は進路を完全にふさいでいるように見える。
- 腹に力を入れ、恐れずに突き進むと通過できる。
- 人を直接傷つけるより、恐怖心を利用して通行を妨害する。
代表的な伝承
- 徳島県美馬郡脇町から隣の町へ向かう途中に、高須という寂しい場所があった。
- 夜遅くに通ると、道の中央へ大きな衝立が現れた。
- 多くの人は恐れて引き返したが、強気な者が構わず進むと、難なく通り抜けられた。
- 人々は夜道を避けるようになり、付近の住民が光明真言を四万八千回唱えた。
- さらに大きな石碑を建てて狸を封じると、衝立狸は現れなくなったという。
- 石碑は高さ一丈、約三メートルの緑泥片岩で作られていたが、後に失われたとされる。
各地のバリエーション
- 徳島県: 美馬市周辺では、狸が夜道に巨大な衝立を出して人の進路を妨げると伝えられる。
現代作品での登場
- なし
別名
- なし
関連妖怪
- ぬりかべ
夜道に目に見えない壁を作り、旅人を先へ進めなくする妖怪。怪異の内容は衝立狸と非常によく似ている。
- 塗坊(ぬりぼう)
長崎県などに伝わる、崖や壁のように現れて通行を妨げる妖怪。休憩したり煙草を吸ったりすると消えるとされる。
- 野会(のえ)
高知県に伝わる、進行方向へ壁のようなものを生じさせる怪異。衝立狸やぬりかべと同系統の道塞ぎとされる。
- 化け狸
人や物へ化け、幻覚や怪異を起こす狸の総称。衝立狸は、道に巨大な衝立を見せる化け狸の一種である。
- 狸の怪異を集めました
- 見越入道
夜道に現れ、巨大化して人を威圧する妖怪。姿は異なるが、恐怖によって道行く人を立ち止まらせる点が共通する。
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妖怪検定ポイント
- 読みはついたてだぬき。
- 徳島県美馬市周辺に伝わる。
- 夜道に巨大な衝立を出す化け狸。
- 恐れずに突き進めば通り抜けられる。
- 光明真言を四万八千回唱えて封じたとされる。
- 約三メートルの石碑が建てられた。
- ぬりかべや塗坊と同系統の道塞ぎ妖怪。