マブイコメは、沖縄で身体から離れたマブイ(魂)を呼び戻すための民俗儀礼。石垣島・川平に伝わる子どものマブイを石に込めて持ち帰る話を中心に、マブイグミとの関係も解説します。

マブイコメ
概要
- マブイコメは、沖縄に伝わる、身体から離れたマブイ(魂)を戻すための儀礼です。
- 妖怪そのものではなく、沖縄の霊魂観や民間信仰に関わる存在・習俗です
- 驚いたり、転んだり、強い衝撃を受けたりして「マブイを落とした」と考えられたときに行われます。
- 現在はマブイグミ、または「魂込め」と呼ばれることもあります。
姿
- マブイコメは儀礼のため、固有の姿はありません。
- 対象となるマブイも、基本的には目に見えない魂として考えられます。
- 『決定版 日本妖怪大全』の挿絵では、マブイは淡く発光する塊のように描かれています。
能力・習性
- 体から離れたとされるマブイを、本人のもとへ戻すために行われます。
- マブイを落としたとされる場所で、祈りや供え物を用いることがあります。
- 儀礼を担うユタなどが、マブイの行方を占う場合もあります。
- マブイが戻らない状態は、気力の低下や不調と結びつけて考えられました。
代表的な伝承
- 石垣島の川平で、ある宿の子どもが「マブイを落とした」状態になったといいます。
- 子どもは不安そうに泣き続け、家族はユタに相談しました。
- ユタは、子どもが転んだ場所を占い、道ばたの石に子どものマブイが入ったと伝えます。
- 母親はその石を家へ持ち帰り、子どもに抱かせました。
- マブイを石に込め、本人のもとへ帰す行為であることから、「マブイコメ」と呼ばれたとされます。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- 目取真俊『魂込め(まぶいぐみ)』
魂を失った人物と、その魂が身体へ戻ることを願う人々を描いた文学作品です。伝承をそのまま再現した作品ではありませんが、沖縄のマブイ観と魂を呼び戻す行為が主題に置かれています。
リンク
別名
- マブイグミ
- 魂込め
関連妖怪
- マブイ
沖縄でいう魂そのもの。マブイコメは、身体から離れたと考えられるマブイを戻すための儀礼です。
- 死にマブイ
死後まもない人から離れた魂を指す呼び方。生者の魂を戻すマブイコメとは区別され、危険な存在と考えられることがあります。
- マブイウットゥシ
驚きや事故などでマブイを落とした状態を指す民俗語。マブイコメは、その状態からの回復を目的とする儀礼です。
妖怪検定ポイント
- 読みはまぶいこめ。
- 沖縄の民俗信仰における、魂を呼び戻す儀礼。
- マブイは沖縄でいう魂のこと。
- マブイを落とす原因は、驚き・転倒・事故などと考えられた。
- 代表伝承は、石垣島・川平で子どものマブイを石に込めて持ち帰る話。
- 現在は「マブイグミ」「魂込め」と呼ばれることもある。
- 妖怪ではなく、霊魂観と儀礼の項目として覚える。