土用坊主は、神奈川県相模原市青根に伝わる土地の神。土用に土いじりや草むしりをすると頭を引っかくことになるという伝承を紹介します。

土用坊主(どようぼうず)
概要
土用坊主は、神奈川県旧津久井郡青根村、現在の相模原市緑区青根に伝わる土地の神に近い存在です。
土用になると屋敷の敷地内へ現れるとされ、その期間には土いじりや草むしりをしてはいけません。地面をいじることが、土の中にいる土用坊主の頭を引っかくことになるからだといわれています。
水木しげる『決定版 日本妖怪大全』では、土用坊主を少なくとも土用の期間中は「土地の霊」と考えられる存在とし、土地神の一種と位置づけています。
姿
- 詳しい姿は伝えられていない。
- 土地や地面と一体化した存在として考えられる。
- 土をいじると「頭を引っかく」ことになるとされる。
- 「坊主」という名を持つが、僧侶の姿をしているという記述はない。
土用坊主の外見について、具体的な説明がありません。
地面そのものを身体の一部とするような、土地と密接に結びついた存在として想像できます。
能力・習性
- 土用の期間に屋敷の敷地内へ現れる。
- 土いじりを嫌う。
- 草むしりも禁じられる。
- 土地を不用意に動かす行為と結びつく。
- 土地の霊・土地神に近い性格を持つ。
土用坊主が人を直接襲うという伝承はありません。
ただし、土用の期間に地面を掘ったり草をむしったりすると、それが土用坊主の頭を傷つけることになるため、土地に手を加えてはいけないとされました。
これは、土地にはそれぞれ神が宿っており、神の許しなく土を動かせば災いが起こるという古い信仰ともつながっています。
代表的な伝承
神奈川県旧津久井郡青根村では、土用になると土用坊主が屋敷の敷地内へ現れるといわれていました。
- 土用の期間に土用坊主が現れる。
- その間は土いじりをしてはいけない。
- 草むしりもしてはいけない。
- 土をいじることは、土用坊主の頭を引っかくことになる。
- そのため、土用の間は土地へ不用意に手を加えることを避けた。
水木しげる『決定版 日本妖怪大全』では、この伝承を土地神への信仰と関連づけています。
土地には土地神がおり、その許しを得ずに土地を動かすと災いが起こると考えられてきました。建物を建てる前に行う地鎮祭も、こうした土地神への信仰につながるものです。
土用とは?
土用とは夏だけを指す言葉ではありません。
本来は一年に四回あり、
- 立春の前
- 立夏の前
- 立秋の前
- 立冬の前
それぞれ約18日間を土用と呼びます。
現在では特に「夏の土用」がよく知られていますが、土用坊主の伝承では、この季節の変わり目に土を動かさないという禁忌が重要になります。
各地のバリエーション
- 神奈川県: 旧津久井郡青根村では、土用になると屋敷の敷地内へ土用坊主が現れ、その間に土いじりや草むしりをすると、土用坊主の頭を引っかくことになると伝えられる。
現代作品での登場
- なし
別名
- なし
関連妖怪
- 金神(こんじん)
方角や土地に関わる恐ろしい神。水木しげる『決定版 日本妖怪大全』では、『和漢三才図会』にある金神の伝承を紹介し、土用坊主はこの金神の類ではないかとしています。
- 田の神(たのかみ)
田畑と稲作を守る農耕神。土用坊主とは性格が異なるものの、土地や農作業に深く関わる神という点で比較できる。
- 大元神(おおもとがみ)
中国地方などで信仰される土地・村落の守護神。土地を守り、人々から畏敬を集める神という点で近い。
妖怪検定ポイント
- 読みはどようぼうず。
- 神奈川県旧津久井郡青根村に伝わる。
- 現在の相模原市緑区青根にあたる。
- 土用になると屋敷の敷地内へ現れる。
- 土用の間は土いじりをしてはいけない。
- 草むしりも禁じられる。
- 土をいじると土用坊主の頭を引っかくことになるとされる。
- 土地の霊・土地神に近い存在。
- 土用は一年に四回あり、各季節の変わり目に約18日間ある。
- 水木しげる『決定版 日本妖怪大全』では、金神の類ではないかと考察されている。
- 妖怪というより、土地に関わる信仰的な存在として扱うのが適切。