鉦五郎(しょうごろう)
鉦五郎は、念仏で使われる青銅製の鉦鼓が化けた付喪神です。鳥山石燕『画図百器徒然袋』に描かれ、淀屋辰五郎の黄金の鶏との言葉遊びを含む妖怪を解説します。

概要
- 鉦五郎は、念仏を唱える時に用いる鉦鼓(しょうこ)が妖怪化した付喪神です。
- 鳥山石燕『画図百器徒然袋』に描かれた器物妖怪で、日用品・仏具に霊が宿るという付喪神の発想に属します。
- 淀屋辰五郎の「黄金の鶏」と鉦五郎が「同じ金」だという石燕の言葉遊びも紹介されています。
姿
- 円形の青銅製の鉦鼓が、亀や小動物のような体を持って動き出した姿。
- 背中に大きな鉦を背負っているように見えます。
- 水木しげるの挿絵では、暗い室内の道具の中から、鉦を背負った小さな怪物が這い出すように描かれています。
能力・習性
- 明確に人を襲う能力は伝わっていません。
- 鉦鼓に宿った霊が、器物妖怪として姿を現すものと考えられます。
- 鉦を鳴らす仏具であることから、音・念仏・供養のイメージと結び付きます。
- 身分の高い者の怨霊・御霊が鉦鼓に憑いて化けたものではないか、と説明されています。
代表的な伝承
- 鳥山石燕は『画図百器徒然袋』で、鉦五郎を仏具の付喪神として描きました。
- その説明では、大坂の豪商・淀屋辰五郎の財宝「黄金の鶏」と、鉦五郎の「金」の響きが重ねられています。
- 淀屋辰五郎は巨万の富を築いたものの、宝永2年に財産を没収され、商家は廃絶となりました。
- その辰五郎のような御霊が鉦鼓に憑いたものとして、鉦五郎が構想されたと考えられます。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- なし
別名
- なし
関連妖怪
- 鳴釜
釜が音を立て、雨や吉凶を知らせる器物の怪異。鉦五郎と同じく、金属製の道具と音が結び付いた妖怪です。
- 瀬戸大将
皿や器が集まって武者のような姿になる付喪神。鉦五郎と同じく、古い器物が妖怪化する発想でつながります。
- 乳鉢坊
鉢や鉦のような器物をもとにした付喪神。仏具・器物・音のイメージを持つ点で、鉦五郎と近い存在です。
- 雲外鏡
古い鏡が妖怪化した付喪神。道具に霊が宿るという石燕系の器物妖怪として関連します。
- 琵琶牧々
琵琶が妖怪化した付喪神。楽器と鉦鼓で道具は異なりますが、音を出す器物が怪異化する点で比較しやすい妖怪です。
- 器物の妖怪「付喪神」を集めました
妖怪検定ポイント
- 読みはしょうごろう。
- 念仏で使う青銅製の鉦鼓が化けた付喪神。
- 鳥山石燕『画図百器徒然袋』に描かれた文献妖怪。
- 淀屋辰五郎の「黄金の鶏」との言葉遊びが背景にある。
- 人を襲う妖怪ではなく、仏具に霊が宿った器物妖怪として覚える。
- 「五郎」は御霊に通じるとされ、怨霊・御霊のイメージも含む。