三吉鬼は、秋田で酒屋に現れて大酒を飲み、代金代わりに薪や大木を運んだと伝わる怪異です。太平山の三吉様信仰と結び付く、神と妖怪の境界にいる存在を解説します。

三吉鬼(さんきちおに)
概要
- 三吉鬼は、秋田に現れた正体不明の男が、いつしかそう呼ばれるようになった怪異です。
- 人を害する鬼というより、酒を供えれば大仕事を引き受ける、山の神・鬼神に近い性格を持ちます。
- 秋田県太平山の三吉様信仰が背景にあるとされます。神としては「ミヨシ様」、人の姿で現れる時は「サンキチ」と呼ばれたといいます。
- 只野真葛『むかしばなし』にも三吉鬼の話が含まれています。
姿
- 基本的には、人間の男の姿で現れます。
- 顔立ちや服装などの細かな定型は伝わっていません。
- 水木しげるの挿絵では、山仕事を思わせる力強い男として描かれています。
能力・習性
- 酒屋で大酒を飲む。
- 酒代を無理に請求すると、必ず仇をなすとされる。
- 黙って飲ませておくと、翌朝には酒代の十倍ほどの価値がある薪を戸口へ積んでおく。
- 酒樽を供えて願をかけると、巨大な松を庭へ移すなど、人力では難しい仕事を一晩で済ませる。
代表的な伝承
- 秋田の酒屋に、何者とも分からない男が現れ、大酒を飲んで代金を払わず帰っていった。
- 酒代を求めた店には災いが起きたが、何も言わずに飲ませた店には翌朝、酒代を大きく上回る薪が積まれていた。
- 人々はこの男を三吉鬼と呼び、酒を供えて重い仕事を頼むようになったという。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- なし
別名
- 三吉様
- サンキチ
関連妖怪
- 三吉様
三吉鬼の背景にある太平山の神。神として祀られる時はミヨシ様、人の姿で現れる時はサンキチと呼ばれたとされます。
- 山男
山中に住み、人里へ現れる大男の怪異。三吉神は資料上で山男に近い存在としても語られ、三吉鬼の人間的な姿と大力の背景を考える手がかりになります。
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妖怪検定ポイント
- 読みはさんきちおに。
- 秋田県の太平山信仰と関係する怪異。
- 酒好きで、酒代を請求すると仇をなす。
- 黙って飲ませると、薪などで酒代以上の礼をする。
- 酒樽を供えると、巨木の移植など大仕事を行う。
- 神としては三吉様、人の姿ではサンキチと呼ばれた。