手の目かじりは、京都・七条河原の墓地に現れ、手のひらの目で獲物を追い、骨を抜き取るとされる怪異です。『諸国百物語』をもとに水木しげるが「手の目」と区別して紹介した妖怪を解説します。

手の目かじり(てのめかじり)
概要
- 手の目かじりは、京都・七条河原の墓地を舞台にした怪談に現れる、骨を抜き取る恐ろしい怪異です。
- 元になった話は、江戸前期の怪談集『諸国百物語』に収められた「ばけ物に骨をぬかれし人の事」と考えられます。水木しげるは、掌に目を持ち、人の骨をかじるこの怪物を「手の目かじり」と位置づけました。
- 地域伝承型というより、古典怪談をもとにした文献妖怪です。
姿
- 身の丈約二メートルの、すすけた顔をした老人の姿。
- 手のひらに目を持ち、異様に突き出た二本の出っ歯があるとされます。
- 老人のような顔立ちでありながら、人間離れした大きさと掌の目によって怪物性が強調されています。
能力・習性
- 墓地で人を追いかけ、寺や長持の中まで執拗に探しにくる。
- 人の骨をかじる、あるいは抜き取るほどの凶暴さを持つ。
- 掌の目で周囲を見回す、手の目系の怪異です。
代表的な伝承
- 京都・七条河原の墓地で、若者が肝試しの証拠として杭を打って帰ろうとした。
- そこへ、掌に目を持つ大柄な老人の怪物が現れ、若者は近くの寺へ逃げ込んで長持に隠れた。
- しかし怪物は寺まで追ってきて、長持のそばから骨をかじるような音が聞こえた。
- 怪物が去ったあと僧が長持を開けると、若者は骨を抜かれて皮だけになっていたという。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- なし
別名
- なし
関連妖怪
- 手の目
「手の目かじり」とは別妖怪。こちらは、殺された人物の怨念によって両手のひらに目が生えた怪異であり、掌の目というモチーフは共通します。
- 手目坊主
百鬼夜行絵巻に描かれた、手のひらに目を持つ妖怪。手の目系の図像と近い存在ですが、手の目かじりと同一の妖怪ではありません。
- 京都の妖怪、そろってます
妖怪検定ポイント
- 読みはてのめかじり。
- 京都・七条河原の墓地に現れる文献妖怪。
- 元ネタは『諸国百物語』の「ばけ物に骨をぬかれし人の事」。
- 老人のような姿、掌の目、二本の出っ歯が特徴。
- 若者を長持の中まで追い、骨を抜いて皮だけにしたとされる。
- 手の目とは別妖怪。