人面樹は、深山の谷間に生え、人の首のような花をつけて笑うとされる中国由来の怪樹。『和漢三才図会』に記される人面子や、若い娘の首を実らせるワクワクの木との関係も解説します。

人面樹(じんめんじゅ)
概要
- 人面樹は、人間の顔のような花や実をつけるとされる怪樹です。
- 日本固有の地域伝承というより、中国から伝わった異国の怪樹として扱われます。
- 深山の谷間に生え、花は人の首のようで、言葉を発さずに笑い続けるとされます。
- 木に実る果実は人面子と呼ばれ、秋に熟すと伝えられます。
姿
- 深山の谷間に生える大木とされます。
- 花は、人間の首や顔のような形をしています。
- 実の種には、目・耳・鼻・口にあたる部分があり、両面とも人の顔のように見えるといいます。
- 幹や枝が人間の姿へ変わるのではなく、花や実に人面が現れる怪樹です。
能力・習性
- 花は声を出さず、しきりに笑うとされます。
- 笑いすぎると、花はそのまま落ちてしまうといいます。
- 人面子は秋に熟し、甘酸っぱい味がするとされます。
- 人を襲う伝承はなく、不気味な姿と笑いそのものが怪異として受け止められました。
代表的な伝承
- 『和漢三才図会』では、人面樹は南方に生える木とされています。
- 谷間に生えた木には人の首のような花が咲き、言葉を発さずに笑い続けます。
- あまり笑いすぎると花は落ち、秋には人面子という実が熟します。
- 種の両面が人の顔のようだというため、食べるのを好む者は少なかったのではないか、とも語られます。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- 『ゲゲゲの鬼太郎』第6期・第66話「死神と境港の隠れ里」
隠れ里に生える大木として登場します。不思議な声で犬山まなを呼び寄せる、作品独自の人面樹として描かれています。
別名
- なし
関連妖怪
- 木霊
古木や大木に霊が宿るとされる樹木の怪異。人面樹が花や実に人の顔を持つ怪樹であるのに対し、木霊は樹木に宿る霊そのものを指します。
- 山に出る妖怪、そろえています
- 人面瘡
人間の顔のような形をした瘡や腫れ物の怪異。樹木に人面が現れる人面樹とは異なりますが、人ならざるものに人の顔が現れる怪異として比較できます。
- ワクワクの木
インドやペルシャに伝わる、若い娘の首が多数実るという怪樹。人面樹と同じく、人間の頭部や顔が木に実る異国の怪異として関係づけられます。
妖怪検定ポイント
- 読みはじんめんじゅ。
- 中国由来とされる怪樹。
- 深山の谷間に生え、花は人間の首のような姿をしている。
- 花は言葉を発さず、笑い続ける。
- 笑いすぎると花が落ちる。
- 実は人面子と呼ばれ、種の両面に人の顔のような模様がある。
- 木霊とは、樹木の霊か、人面の実をつける怪樹かという点で区別する。