天狗礫は、山中で突然大石が飛び交う怪異。天狗が一定の道を通って石を投げるとされ、大分県杵築市では遭遇すると病気や不猟に見舞われると伝えられます。

天狗礫(てんぐつぶて)
概要
- 天狗礫は、山中で突然石が飛んできたり、頭上へ落ちたりする怪異です。
- 正体の見えない飛来石を、山に住む天狗が投げたものと考えた伝承です。
- とくに大分県杵築市周辺では、猟師が山で遭遇する危険な怪異として語られました。
姿
- 天狗礫そのものに、一定した姿はありません。
- 人前に天狗が現れるのではなく、大石が空中を飛ぶ現象として気づかれます。
- 『決定版 日本妖怪大全』の挿絵では、深い杉林の上方から石が飛び交う場面として描かれています。
能力・習性
- 深い山や谷で、突然大石を飛ばす。
- 石は左右や頭上から飛来し、山道を歩く人を脅かします。
- 石に当たると病気になるとされます。
- 遭遇した猟師は、その後に獲物が取れなくなるともいいます。
- 天狗が通る一定の道筋へ入ることで、石が飛んでくると考えられました。
代表的な伝承
- 豊後国杵築、現在の大分県杵築市で、雉を狙う若者たちが夜の山へ入りました。
- 山道に差しかかると、左右から石が落ちてきました。
- 仲間の一人は天狗礫だと気づき、「黙って座れ」と皆へ告げます。
- 若者たちが身を低くしている間にも、大石は頭上を激しく飛び交いました。
- やがて石は止みましたが、その夜は朝まで猟をしても一羽も獲物を得られなかったといいます。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- なし
別名
- なし
関連妖怪
- 天狗
天狗礫は、山にいる天狗が石を投げる現象と考えられた怪異です。姿を見せない天狗の存在を、飛来する石によって感じる伝承といえます。
- 松明丸
天狗が投げた石から出る怪しい光とされる妖怪。天狗礫の「石」に対し、松明丸はそこから生じる「光」の怪異として結びつきます。
- しばかき
夜道で石を投げつけるとされる怪異。天狗礫より規模は小さいものの、正体の見えないものが路傍から石を飛ばす点で近い存在です。
- 砂かけ婆
夜道で砂をまいて人を驚かせる妖怪。天狗礫とは投げるものが異なりますが、姿を見せず上方から物を降らせる怪異として比較できます。
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妖怪検定ポイント
- 読みはてんぐつぶて。
- 山中で石が飛んでくる怪異。
- 天狗が石を投げたものと考えられた。
- 大分県杵築市周辺の猟師の伝承が代表例。
- 石に当たると病気になるとされる。
- 遭遇すると獲物が捕れなくなるという。
- 松明丸は、天狗礫の石から出る光とされる妖怪。