海月の火の玉は、加賀大聖寺に伝わる怪火。夜道で侍の顔に貼りついた火の玉は、風に乗って飛んだクラゲだったと説明された。『三州奇談』に残る奇談を解説します。

海月の火の玉
概要
- 海月の火の玉は、石川県加賀市大聖寺に伝わる怪火です。
- 海にいる海月、つまりクラゲが風に乗って空を飛び、夜には火の玉のように見えたものと説明されます。
- 人魂や怨霊の火ではなく、海の生き物に魂や霊性を見いだした怪異といえるでしょう。
- 典拠は、加賀・能登・越中の奇談を集めた『三州奇談』です。
姿
- 夜空を漂う、火の玉のような光として現れます。
- 正体は、風にあおられて飛ぶ海月とされます。
- 『決定版 日本妖怪大全』の挿絵では、傘状の海月が白く光り、海上近くを浮遊する姿で描かれています。
- ただし、顔や手足を持つ怪物として伝わるわけではありません。
能力・習性
- 生温かい風とともに、夜道へ飛んでくる。
- 刀で斬られても実体をとらえにくく、二つに割れる。
- 触れた人の顔に、糊や松脂のような粘つく感触を残す。
- 生臭いにおいを伴うことがあります。
代表的な伝承
- 加賀大聖寺の侍が、夜に全昌寺の裏を通っていたところ、風に揺られた火の玉が近づいてきました。
- 侍が刀で斬りつけると、火の玉は二つに割れ、顔へ貼りつきました。
- 粘つくものを払い落とせず、翌日まで顔に糊がついたような感覚が残ったといいます。
- 古老に尋ねると、「海月が風に乗って飛び回ったものだろう」と説明されました。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- なし
別名
- なし
関連妖怪
- 鬼火
夜に現れる正体不明の火の総称。海月の火の玉も、怪火の一種として整理できます。
- たくろう火
瀬戸内海沿岸に伝わる、海上へ二つ並んで現れる怪火。どちらも海や沿岸と結びつく火の怪異ですが、由来は異なります。
- 不知火
海上に見える怪火として知られる存在。海月の火の玉とは別伝承ですが、夜の海辺で目撃される不可解な光として比較できます。
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妖怪検定ポイント
- 読みはくらげのひのたま。
- 石川県加賀市大聖寺に伝わる怪火。
- 典拠は『三州奇談』。
- 風に乗って飛ぶ海月が、夜には火の玉のように見えるとされた。
- 刀で斬ると二つに割れ、粘つくものが顔に貼りつく。
- 人魂ではなく、海の生き物に霊性を見いだした怪異として理解すると整理しやすい。