ジキトリは、愛媛県宇和地方に伝わる山の怪異。山中で急に空腹となり、手足が動かなくなるのはジキトリに憑かれたためとされる。弁当を残す習俗や山の神との関係を解説します。

ジキトリ
概要
- ジキトリは、愛媛県宇和地方に伝わる、山中で人に取り憑く怪異です。
- 民俗学者・柳田國男は、名称を「食取り」、つまり人の体内にある食物や栄養を奪うものと考えました。
- 妖怪である一方、山の神として供え物を受ける存在とも見なされていました。
姿
- 固定された姿は伝えられていません。
- 山中の寂しい場所に潜む、目に見えない憑きものとして考えられました。
- 人や獣の姿で現れるという具体的な伝承は確認できません。
能力・習性
- 山中で人に取り憑き、急な空腹感を起こす。
- 手先が動かなくなったり、歩行が難しくなったりするとされます。
- 人の弁当や体内の栄養を奪う存在と考えられました。
- 人通りの少ない山道や、寂しい場所に現れるとされます。
- 飯粒を少しでも口に入れると、憑かれた状態から回復するといいます。
代表的な伝承
- 愛媛県宇和地方では、山歩きの途中で急に強い空腹に襲われ、手足が動かなくなることがありました。
- 人々はこれを「ジキトリに取り憑かれた」と呼びました。
- 防ぐため、遠出をするときは弁当を食べ切らず、飯粒を二、三粒でも残しておくとされます。
- もし弁当を空にしてしまった場合は、同行者から少し食べ物を分けてもらえばよいと伝えられました。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- なし
別名
- なし
関連妖怪
- 山の神
ジキトリは山の神としても捉えられました。山で弁当を食べる際、最初に箸で取った飯粒を供える習俗が伝えられています。
- ヒダル神
山中で急な空腹や脱力を起こす怪異として知られます。ジキトリとは別伝承ですが、旅人の飢えと歩行困難を結びつける点が近い存在です。
妖怪検定ポイント
- 読みはじきとり。
- 愛媛県宇和地方に伝わる山の怪異。
- 「食取り」、すなわち人の食物や栄養を奪う存在と考えられた。
- 山中で急な空腹、手足の不自由、歩行困難を起こす。
- 弁当は食べ切らず、飯粒を少し残すと防げるとされた。
- 山の神として供え物を受ける存在とも見なされた。
- 姿は定まらず、憑きものとして語られる。