アカマタ・クロマタは、沖縄県八重山の豊年祭に現れる仮面仮装の来訪神。草木をまとって聖地から現れ、家々を巡り豊作をもたらすとされる神事と伝承を解説します。

アカマタ・クロマタ
概要
- アカマタ・クロマタは、沖縄県八重山地方に伝わる豊年祭の来訪神です。
- 妖怪というより、村に豊作をもたらすため異界・聖地から現れる祭祀上の神として位置づけられます。
- 西表島古見を中心に伝わり、旧暦6月ごろの豊年祭「プール」に登場するとされます。
姿
- 仮面をつけ、全身を草木で覆った姿で現れます。
- 顔や身体の細部を隠し、人間とは異なる異界の存在として表現されます。
- 草の房や葉が揺れる、巨大で不定形な人影のように見えることがあります。
能力・習性
- 聖地や森の奥から村へ現れる。
- 家々を巡り、稲の実りや村の繁栄を祝福する。
- 豊年祭を通じて、共同体に豊作と秩序をもたらす存在とされる。
- 夜に現れ、祭祀の終わりには再び聖地へ帰ると伝えられる。
- 人を襲う怪物ではなく、畏れと敬意を向けるべき来訪神です。
代表的な伝承
- 西表島古見の三離御嶽には、かつて稲を頭に載せた世持神が現れたと伝えられます。
- 世持神が現れる年には豊作になったものの、やがて姿を見せなくなったといいます。
- そこで人々は神の姿に扮し、アカマタ・クロマタとして豊年を祈る祭祀を行うようになったとされます。
- 豊年祭では神が村を訪れ、家々を巡ることで実りを授けると考えられました。
各地のバリエーション
- 西表島・古見
アカマタ・クロマタに加え、シロマタも登場するとされます。各神を村の異なる集団が祀る伝承が残ります。 - 石垣島・宮良
「アカムタ・クロムタ」とも呼ばれます。「赤い人・黒い人」の意味と説明され、草木をまとった仮面神として豊年祭に現れます。 - 新城島
親アカマターと子アカマターが登場したとする聞き書きが残ります。夜に現れ、御嶽や各家を巡り、夜明けに送られると伝えられます。
現代作品での登場
- なし
別名
- アカムタ・クロムタ
- アカマター・クロマター
関連妖怪
- シロマタ
西表島古見でアカマタ・クロマタとともに祀られる仮装神。豊年祭の神々として同じ祭祀体系に属します。
- マユンガナシ
石垣島川平に伝わる来訪神。アカマタ・クロマタと同じく、豊穣や村の祝福と結びつく仮面来訪神として比較されます。
- テルコガミ
伊平屋諸島に伝わる来訪神。八重山のアカマタ・クロマタと同系統の祭祀とされます。
妖怪検定ポイント
- 沖縄県八重山地方の豊年祭に現れる来訪神。
- 妖怪ではなく、仮面仮装の祭祀神として扱う。
- 西表島古見を中心に伝わる。
- 草木で全身を覆い、仮面をつけた姿で現れる。
- 豊作をもたらす世持神と結びつく。
- 古見ではシロマタも登場する。
- 石垣島宮良ではアカムタ・クロムタとも呼ばれる。