河童憑きは、河童が人間に取り憑くとされる憑き物伝承。熊本・大分・対馬などに伝わり、憑かれた者の異常行動や祈祷による対処法が語られます。

河童憑き(かっぱつき)
概要
- 河童憑きは、河童が人間に取り憑くとされる怪異。
- 読みは「かっぱつき」。
- 河童は水辺に棲み、人や馬を水中へ引き込む妖怪として知られるが、地域によっては人間に取り憑く存在とも考えられた。
- 熊本地方や大分県玖珠郡、対馬などに伝承がある。
- とくに若い女性や処女が狙われるとされる話があり、河童の性的・水辺的な怪異性が強く表れている。
- 狐憑きや犬神憑きと同じく、憑き物信仰の一種として見ると理解しやすい。
姿
- 河童憑きそのものには、はっきりした姿はない。
- 取り憑くのは河童であるため、姿としては一般的な河童像が背景にある。
- 河童は、頭に皿を持ち、背に甲羅があり、手足に水かきを持つ水辺の妖怪として知られる。
- ただし河童憑きでは、河童の姿が人間に見えるとは限らない。
- 家の者には姿が見えなくても、障子紙が濡れて穴が開いていたり、布団が濡れていたりして、河童が来たことがわかるとされた。
能力・習性
- 河童は人間に取り憑くことがある。
- とくに若い女性や処女を狙うとされる地域がある。
- 取り憑かれた者は、心身ともに消耗する。
- ふらふらと行動するようになる。
- 熊本地方では、河童に憑かれた女性が性的に乱れた言動をするとも語られる。
- 河童は障子の穴からも家へ入り込むとされる。
- 水に関わる妖怪であるため、祈祷中に憑かれた者や縄を濡らすと、河童が力を取り戻すと考えられた。
代表的な伝承
- 熊本地方では、若い娘たちは河童の棲む水辺で、みだらな様子を見せないよう戒められていた。
- 雄の河童がそれを見て興奮し、娘に取り憑くと考えられたためである。
- 河童に憑かれた女性は、普段とは違う言動をするようになる。
- 家の者には河童の姿が見えなくても、障子紙が濡れて穴が開いていたり、布団が濡れていたりすることで、河童が来たとわかった。
- 大分県玖珠郡では、河童はとくに処女を狙って取り憑くとされた。
- 憑かれた者は心身ともに消耗し、ふらふらと行動するようになり、やがて死に至るともいわれた。
- 河童憑きは、水辺の危険、性への戒め、原因不明の病や異常行動への恐れが重なって生まれた憑き物伝承といえる。
各地のバリエーション
- 熊本地方
若い娘が河童の棲む水辺でみだらな様子を見せると、雄河童に取り憑かれるとされた。河童は障子の穴からも侵入し、濡れた障子や布団が河童来訪のしるしになる。 - 大分県玖珠郡
河童はとくに処女を狙って取り憑くとされる。憑かれると心身が消耗し、ふらふらと行動し、やがて死に至るともいわれた。 - 対馬
河童憑きがなかなか落ちないときは、枕元に河童が恐れる剣や鏡を置いて祈祷すると効果があるとされた。
現代作品での登場
- なし
別名
- なし
関連妖怪
- 河童
河童憑きの原因となる水辺の妖怪。人や馬を水へ引き込むだけでなく、人間に取り憑く存在としても語られた。
- 狐憑き
狐が人間に取り憑く憑き物伝承。河童憑きと同じく、異常行動や病を妖怪の仕業として説明するもの。
- 犬神憑き
犬神が人に取り憑くとされる憑き物信仰。河童憑きと比較すると、地域社会の恐れや禁忌が見えやすい。
- 狸憑き
狸が人間を化かしたり取り憑いたりする伝承。狐憑きとともに、憑き物系怪異の代表例である。
妖怪検定ポイント
- 読みは「かっぱつき」。
- 河童が人間に取り憑くとされる憑き物伝承。
- 熊本地方・大分県玖珠郡・対馬などに伝承がある。
- 若い女性や処女が狙われるとされる話がある。
- 憑かれた者は心身を消耗し、ふらふらと行動するとされた。
- 河童憑きを落とすには、柱に荒縄で縛って祈祷するという方法が語られる。
- ただし、憑かれた者や縄を水で濡らすと、河童が力を得るとされた。
- 対馬では、剣や鏡を枕元に置いて祈祷するとよいとされた。