七尾の狢は、江戸の蕎麦屋に現れた七つの尾を持つムジナの怪異。出し殻を盗み食いした年経た狢として伝わります。

七尾の狢(ななびのむじな)
概要
- 七尾の狢は、七つに分かれた尾を持つムジナの怪異。
- 読みは「ななびのむじな」。
- 出典は塵哉翁「巷街贅説」で、『続日本随筆大成別巻』10巻に収められている。
- 「狢」は、狸や穴熊などを指す語として使われることがあり、古くは正体のあいまいな獣の怪異にも使われた。
姿
- 見た目は年を経たムジナ。
- 最大の特徴は、尾が七つに分かれていること。
- 九尾の狐のように、尾の数が増えることで霊力や異常性を示すタイプの怪異と考えられる。
- 人間に化ける話ではなく、捕らえられた獣の尾が異様だった、という実話風の怪談として語られる。
能力・習性
- 人家や店の近くに忍び込む。
- 食べ物の残りや出し殻を盗み食いする。
- 年を経て、普通のムジナではない異様な姿になる。
- 人を襲うより、生活のすき間に入り込む獣の怪異として語られる。
- 尾が七つあることから、化ける力を持つ可能性も連想されるが、伝承本文では化ける場面は中心ではない。
代表的な伝承
- 江戸の五軒丁代町に、蕎麦屋があった。
- その店では、縁の下に置いていた出し殻が、いつの間にか消えることが続いた。
- 店の者は、犬、狐、狸などのしわざではないかと考えた。
- ある日、ついに犯人らしき年を経た狢が捕らえられる。
- その狢の尾を見ると、七つに分かれていた。
各地のバリエーション
- なし
現代作品での登場
- なし
別名
- 七尾の狢
- ナナビノムジナ
関連妖怪
- 狸
狢と混同されやすい化ける獣。食べ物を盗む、店や人家の近くに出るという生活密着型の怪異として近い。
- 狐
尾の数で霊力を示す点では、九尾の狐と比較しやすい。七尾の狢も、尾の異常さが怪異の核心になる。
- 九尾の狐
多尾の獣妖怪の代表格。七尾の狢は狐ではないが、複数の尾が霊性を表すという点で関連する。
- 貉
人を化かす獣として語られることがある。七尾の狢は、その中でも尾の異常によって怪異化した例といえる。
妖怪検定ポイント
- 読みは「ななびのむじな」。
- 江戸の蕎麦屋にまつわる怪異。
- 縁の下の出し殻を食べていた年経た狢が捕まり、尾が七つに分かれていた。
- 七つの尾が最大の特徴。
- 九尾の狐など、多尾の獣妖怪と関連づけると覚えやすい。